React/Next.jsを動作させる環境について

React/Next.jsを動作させる環境について

1. サーバーサイド(Node.js)で動く部分

これは以下のような処理です:

  • getServerSideProps などを使った SSR(サーバーサイドレンダリング)
  • app/api/ にある API Routes
  • app/page.tsx のような App Router の Server Components(Nodeで解釈)
  • ミドルウェアなど

つまり、これらは Node.js ランタイムで実行される処理です。

2. クライアントサイド(ブラウザ)で動く部分

以下のようなものは ブラウザ上で実行されます

  • useState, useEffect などを使った Client Components
  • app/page.tsx などの中に use client があるファイル
  • イベントハンドラ(onClick など)

これらは ビルド後にクライアントに配信されて、ブラウザ上で動作します。

🔁 つまりまとめると:

処理実行環境
getServerSideProps, API Routes, Server ComponentsNode.js(サーバー)
use client コンポーネント、イベントハンドラなどブラウザ(クライアント)

📦 本番環境では?

  • Vercel などでは、Edge Functions(Nodeの代替)やLambda上で動作するケースもあります。
  • 自分でデプロイする場合は Node.js サーバー(例:next start)が必要です。

Next.js アプリ(next startで起動)を本番環境で安定して稼働させるには、プロセス管理ツールを導入して常駐&自動再起動できる仕組みを整える必要があります。

[1] PM2で自動リスタート・ログ管理・複数インスタンス対応・クラスタリングも可能

[2] systemdで自動起動、systemctlで起動、再起動、停止

[3] Docker

systemdはOSレベルの一元管理ができるので、他のサービス(nginx, mysql, redisなど)と並列に管理したいときにはとても自然で扱いやすい選択肢です。

一方で、PM2はNode.jsに特化しているため、特に次のようなケースで便利です:

  • .env を読み込んで環境切り替え
  • Node.jsプロセスがクラッシュしたときの自動復旧
  • Web UI やログのモニタリング(pm2 monit
  • 簡易クラスタリング(CPU数に応じた並列起動)

🔧 両方使う構成もあり

例えば:

  • 開発やステージング:PM2 で柔軟に管理
  • 本番環境(特に非Node専門環境):systemd に登録して他サービスと統一

📘 おまけ:Next.js + PM2 + systemd 連携例(上級)

  1. PM2でNext.js起動(pm2 start npm --name next-app -- start
  2. pm2 startup systemd で PM2 自体を systemd 管理に登録
  3. pm2 save で現在のプロセス構成を保存

このように、systemdでPM2を動かすことで、両者のいいとこ取りも可能です。

実運用を考えると VPS上で動かすことも可能ですが、Vercelで動かして楽をした方が良いです。

Vercel(ヴァーセル)は、Next.js公式が開発したホスティングプラットフォームで、Next.jsに特化した使いやすい特徴を多数持っています。以下にポイントを整理して説明します。

✅ Vercelの主な特徴

1. Next.jsとの超高い親和性

  • 開発元が同じ(Vercel社がNext.jsも開発)
  • next.config.jsやApp Router構成など、完全対応
  • SSR / ISR / SSG / Edge Function すべて自動的に最適化してくれる

2. デプロイが超簡単(Git連携)

  • GitHub / GitLab / Bitbucketと連携して、プッシュするだけでデプロイ
  • プルリクエストを作ると、自動でプレビューデプロイを作成

例:feature/login-ui ブランチのURLが自動生成 → https://feature-login-ui-yourapp.vercel.app

3. サーバーレス(自動スケーリング)

  • app/api/pages/api/ のAPIは**サーバーレス関数(Lambda)**として動作
  • トラフィックが増えても自動スケール
  • Edge Functionsで超高速レスポンスも可能(海外向けにも強い)

4. CDN自動配信・最適化

  • HTML/JS/CSSはグローバルCDNから配信(超高速
  • 画像最適化(next/image)やキャッシュ制御も自動
  • 静的ファイル(public/)も全世界にキャッシュ

5. ゼロ構成・CI不要

  • vercel CLIやダッシュボードから操作
  • buildstartの設定不要
  • Dockerやサーバー知識がなくてもフロントエンド中心でデプロイ可能

📦 開発者視点でのメリット・デメリット

項目内容
✅ 初期構成Git連携+ビルドコマンド設定だけで即デプロイ
✅ 運用コストサーバー保守不要。SSLも自動。
✅ スケーラビリティアクセス増でもサーバー落ちない
❌ 柔軟性Node.js以外のバックエンド連携は少し工夫が必要
❌ 日本向け速度エッジの拠点が少なく、日本から若干遅いことも
❌ DBなどは別途必要MySQLやMongoDBなどは外部サービスが必要(例:PlanetScale, Supabase)

💰 無料プランと制限

  • Hobby(無料)プランでも使えるが、制限あり:
    • 最大100GB帯域 / 月
    • Serverless Function 実行時間が短め(最大10秒など)
    • ビルド時間やストレージも制限あり

→ 本格運用なら Proプラン(月額$20〜)を検討

🔚 まとめ

Vercelは次のようなケースに最適です:

目的向いているか
Next.jsをすぐ公開したい✅ 最適
プレビュー環境を自動化したい✅ 便利
SSR/ISR/Edgeを手軽に使いたい✅ ベスト
フロントエンドだけで完結したい✅ 非常に向いている
複雑なNodeバックエンドやDBが必要⚠️ 工夫または外部サービスが必要

 株式会社 iPLUS ONE